鉄製フライパンのお取扱方法について

 柳宗理・鉄フライパンは、その名の通り本体に「鉄」を採用しております。
中華料理等多くの料理人が鉄製の中華鍋やフライパンを愛用していることからもわかるように、炒め料理をおいしく仕上げるには最適の素材です。しかし欠点として大変錆びやすい点があります。
以下にこの欠点を抑えつつ、その良さを引き出す為のコツ等をまとめましたので、是非本内容をご覧になった上でご使用いただけますようお願い申し上げます。


●項目
A. 初回使用時(「焼き込み」について)
B. 洗浄・保管方法について
C. よくあるお問い合わせについて
D. 予熱・粗熱とりについて



A、初回使用時(「焼き込み」について)

「鉄フライパン マグマプレート」、「鉄フライパン ファイバーライン加工」
  焼き込み不要
な新しい錆び止め塗装(シリコン塗装)を採用しています。

「鉄フライパン ダブルファイバー窒化加工」錆び止め塗装をしていません。
  焼き込みをする必要はありません


「アルミフライパン セラミックコーティング」、「アルミキャストパン」
  錆び止め塗装をしていません。焼き込みをする必要はありません


本品は製造完了からお客様のお手元に届くまでの間に、錆びを生じないよう鉄の全面にクリア塗装を施してあります。
鉄への油のなじみを良くする為にもこれらの塗装を「焼き込み」にて除去することをお願い致します。
また電磁調理器での焼き込みは、溶けた塗装膜が調理器のトッププレートに付着して取れなくなる可能性がありますので、お避け下さい。
(少々手間がかかりますが、汚さずに塗装を除去する方法もあります。
それらについては別途
当社までお問い合わせ下さい。)


焼き込み手順
1. 本体を食器用洗剤とスポンジにて洗い、表面のごみ等を洗い流して下さい。
またその後洗剤分を洗い流したあと水気をふき取ってください。
   
2. フライパンをコンロの上に載せ、中火にて加熱を始めて下さい。
フライパンが暖まりましたら火力を強火にして下さい。
初めから強火で加熱しますとフライパンが変形する恐れがあります。ご注意下さい。
焼き込みしている間は、塗装が気化して匂いがしますので、換気をしながら行って下さい。
    
3. 中央部から塗装が気化して紺色もしくは黒色から薄い青色に変色していきます。
バーナーの直径によっては五徳の上に放置しておくだけでフライパンのふちの部分まで塗装を除去することが出来るものもありますが、中央部のみで除去が止まってしまうものもあります。
その場合は以下の図のようにフライパンを動かし、塗装の残っている部分を炎に当ててやるようにして下さい。
・ 火傷や衣類への燃え移り等、十分にご注意下さい。
・ 樹脂ハンドル部を焦がさぬようご注意下さい。
   
4. 塗装の除去が終了しましたら、そのまま五徳の上で冷まして下さい。
また冷えましたら食器用洗剤とスポンジにて洗い、水でよく洗い流したあと水気をふき取って下さい。
塗装除去後、急激に水で冷やしますと水が熱湯となってはじけ飛びますので大変危険です。
またフライパンが変形する危険がありますのでお避け下さいますようお願いします。
塗装を除去した状態で何日も放置しておきますと錆びが発生してくる可能性があります。
すみやかに次の工程へ進んでいただけますようお願いします。
   
5. 水分を乾燥させた後、フライパンの内側、外側とも油を薄く塗ってください。
(使用時、外側の油が燃えることはありませんのでご安心下さい。
逆に塗っていただかないと、そこからサビが発生する可能性があります)
その後、フライパンが冷めていることを確認してから収納下さい。
すぐにお使いいただく場合は、油を塗った後 予熱から調理を始めて下さい。
(No4と同様水での急冷にご注意下さい。)
   
以上で焼き込みは終了となります。
使用せずそのまま保管される場合は、乾燥させた後全体に油を薄く塗ってから保管下さい。


B、洗浄・保管方法
表面になじんだ油を切らさぬようにする為、出来るだけ洗浄は水とたわし(「ささら」も良いです)のみでの洗浄とし、使用後はよく乾燥させてから保管するようにして下さい。
汚れがひどく洗剤を使用する場合は、洗浄してよく乾燥させたあと全体に薄く油を塗ってから保存して下さい。
特に使い始めて間もない頃(5〜10回位まで)は、表面の油が良くなじんでいませんので、洗浄したときは必ず油を塗って保管ください。


C、よくある問い合わせについて
Q1 フチに塗装が残ったまま料理した。
もしくは焼きこみをせずに料理をしたが、人体に影響ないですか?
A1 クリア塗装の主な成分はアクリル樹脂です。
微量であれば人体に影響ありませんし、調理時の加熱にて分解してしまいますので、問題ありません。
ただフライパンへの油のなじみを邪魔してしまいますので、除去してから使用頂いた方がよいです。
     
Q2 焦げ付かせてしまった。または錆びを生じてしまった。
A2 クレンザーや金属たわし等でこすり落としてください。
特に小さい錆の場合は、乾いた布にクレンザーを取りこするとよく落ちます。
その時表面の青色や黒色の皮膜が削れて銀色の地金が出てくることがありますが、使用上および健康上もなんら問題ありません。安心してご使用下さい。
またこのような場合は表面の油も落ちておりますので、油を塗って保管下さい。
     
Q3 使用するうちにハンドルがぐらついてきた。
A3 ハンドルを固定しているネジが緩んだ可能性があります。
ハンドル後端にありますネジを締め込んで(時計の針の回転方向です)みて下さい。
この際、ねじには緩み防止剤が塗布してありますので、初めは固いかもしれません。
そのときはネジを何回か左右に力を加えて回転させて、ネジを一度緩めてから増し締めして下さい。
もし増し締めをしてもハンドルのぐらつきが改善されない、増し締めが出来ない、といった場合は、ネジ以外の原因(ハンドルの破損等)が考えられますので、当社までご連絡下さいますようお願い申し上げます。



D、予熱・粗熱取りについて
以下のように「予熱」「粗熱(あらねつ)取り」をすることで焦げ付きを少なくすることが出来ます。
   
*用意するもの「濡れ布巾」
1. まず空のフライパンを中火で加熱をはじめたあと、強火で熱します。
(冷たいフライパンを強すぎる炎でいきなり熱すると、底部が変形する恐れがある為です。)
2. 十分熱くなったら(フライパンから薄く白い煙が出てきます。)油を入れます。
3. 再度フライパンから薄く白い煙が出るまで熱します。
4. フライパン内の余分な油をオイルポット等に空けます。
これで準備(以上を「フライパンの予熱」と言います)完了です。
このまま熱いフライパンに材料を入れ、料理を始めて下さい。
材料にもよりますが、「フライパンが熱すぎるかな?」と思われたときは、横に置いておいた「濡れ布巾」の上にちょっとだけ置いて(短くて一瞬、長くても一秒程度)から再度コンロの上に戻し、火力を調整して下さい。(これを「粗熱を取る」と言います。)



要は、一度フライパンを高熱にしてから油を入れると、油がフライパンに良く染み込み、大変焦げ付き難くなります。


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